通常の三極管増幅では負荷抵抗が高くなれば歪は減るのですが、SRPPの場合はそうはいかな
くて、最適負荷より低い場合は勿論、高くても歪は増えてしまいます。私はこの一番低歪になる値
を最適負荷と考えたのですが、あるベテランの方から「はたしてその条件のときが音質も一番良い
のだろうか?」と問い掛けられ、はたと考えてしまいました。
下図の8Ω歪率特性の0.05W付近の落ち込みは、上下の球の歪打消しによると思われ、数値的に
は低歪でも耳につく奇数次歪は打消されずにそのまま残ってしまいます。このように歪率が上がっ
たり下がったりする不自然なカーブを描く負荷よりも、素直に右肩上がりになる、もう少し上の負
荷の方が自然な音が出てくるのかも知れません。今回はOPTの関係で、実際の音を聴き較べる事
が出来なかったのですが、今後の研究課題にしておきたいと思います。
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